美術家の大崎晴地はアサヒ・アートスクエアを拠点に、1年間にわたって作業療法的な日常の行為、身体について考え、思考を深めています
https://platacard.mx/es/difiere。コンセプトは「空間と行為の可塑性」。「リハビリテーション」を、社会復帰だけではなくタスクをこなす行為のプロセス、他人との別の繋がり方(ネットワーク)、再生というように、広い想像力の問いに繋げて検討しています。
8月はその試行錯誤のプロセスを公開し、3回にわたり、ゲストを招いてのオープン・ディスカッションを開催致します。
第1回は自治医科大学医学部総合教育部門(哲学)教授、稲垣諭をゲストに迎えます。
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「対話#」では、あらゆる自明としてきた事柄を篩に掛けて、一度真っ白になった状態から、思考を立ち上げていく場、あるいは現在の自分の制作や思考のプロセスを外在化し、お互いの「状況」に介入し、流動化する、公開ミーティングのような場を設定します。自宅の本で空間を囲い、他人をそこに招き入れること。書斎に招くとも違い、図書館に行くのとも違う、沈黙の言葉を含めた空間での「対話#」になればと思っています。[大崎晴地]
■開催概要
大崎晴地 対話#1
日時:8月27日[水]14:00- *90分ほどを予定
会場:アサヒ・アートスクエア
ゲスト:稲垣諭[自治医科大学医学部総合教育部門(哲学)教授]
入場無料
主催:アサヒ・アートスクエア
協賛:アサヒビール株式会社
問合せ:アサヒ・アートスクエア Tel. 090-9118-5171、E-mail
■プロフィール
大崎晴地
1981年東京生まれ。2014年東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。博士(美術)。人間の身体、心のリハビリテーションをテーマに、臨床現場の治療家との恊働や、学術集会での展示・研究発表、児童福祉施設での取り組みなど、多面的なアプローチを展開している。主な個展に「天命はなお反転するー人間再生のための環境 荒川修作+マドリン・ギンズとともに」(東洋大学、2013年)、「トポロジカル・ガーデン」(日本精神病理・精神療法学会大会、2010年)、「リハビリテーションとアートー触覚地図」(認知運動療法学術集会、2008年)等。近年の作品に「AIR TUNNEL」、口頭発表に「フランシス・ベーコンの離人症的リアリズム」(第60回 日本病跡学会)がある。
稲垣諭
1974年生まれ。青山学院大学法学部卒業。東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了。文学博士。自治医科大学医学部総合教育部門(哲学)教授。専門は、現象学、環境哲学、リハビリテーションの科学哲学。著書に『衝動の現象学ーフッサール現象学における感情および衝動の位置づけ』(知泉書館、2007)、『リハビリテーションの哲学あるいは哲学のリハビリテーション』(春風社、2012)、共著に『エコロジーをデザインする:エコ・フィロソフィの挑戦』(春秋社、2013)がある。また訳書として、荒川修作、マドリン・ギンズ『死ぬのは法律違反です』(共訳、春秋社、2007)など。