私のこれまでの18 年間、そこにはいつも描線があった。
それは、ひととつながる共通言語としては成り立ち得ない「届かぬラブレター」の蓄積であったとはいえまいか。
今はもう描けない描線......過去の「届かぬラブレター」を包み込みながら、破り続けるしぐさを見つけろ。
これからの私の絵に必要な建築法を、1 月のアサヒ・アートスクエアでの個展で、初めて立ち上げる。
(2014 年10 月 佐藤万絵子)
アサヒ・アートスクエアを今までにない空間に変容する、自由で大胆な発想から生まれる作品や企画を公募する「オープン・スクエア・プロジェクト」。4回目となる今年は精力的に作品発表を行い、活動19年目を迎える美術家、佐藤万絵子の個展「机の下でラブレター(ポストを焦がれて)」を開催いたします。
佐藤にとって、絵を描くという触知的な体験と、そこから生まれ出た無数の描線は、決まったかたちや意味を持たない「言葉」とも言えます。言葉の連なりはやがて手紙となり、「机の下」という親密な空間の力を借りて「ラブレター」へと変容していきます。本展において、佐藤は天井高6メートル、総面積約260㎡のアサヒ・アートスクエアのメインフロアを巨大な机の下に見立て絵画空間を作り出します。これまでの展示ごとに描かれた、時に全長数メートルにも及ぶドローイングのほぼ全点を展示空間に配置し、同時に会期の約半分の日程をかけて新作を描き進めていきます。
この試みは、一人の美術家の「これまで」と「これから」のドローイング/ペインティングを出会わせるための構築方法の模索でもあります。文字や植物のように繁茂するラブレターという名の絵画世界は、やがてアサヒ・アートスクエアを呑み込み、新たな風景を生み出すでしょう。
日時|2016 年1月9日[土]〜 1月30日[土]
[第一期]
1月9日[土]〜1月22日[金]18:00-21:00
*制作過程をご覧いただけます(基本的に作家は不在です)。
*休館日:1/13[水]-15[金]
[第二期]
1月23日[土]・24日[日] 11:00-21:00
1月25日[月]〜28日[木] 11:00-19:00
1月29日[金]・30日[土] 11:00-21:00
料金|500 円(パスポートチケット)
*会期中再入場可
●記録撮影について:会期中、下記の日程で記録撮影を行います。鑑賞エリアが一部変更になる場合がございます。予めご了承ください。
・20日[水]
・24日[日]
・28日[木]
●写真撮影について:4Fのみ撮影可能です。作品に触れないようお気をつけください。なお、フラッシュ、ストロボ、三脚などはご利用になれません。商業撮影の場合は許可が必要ですので、事前にお問い合わせください。
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イベント| 「そのメロディに会いに行く、リズムにぶつかる、ハーモニーを触る vol.2」
出演| 佐藤万絵子(美術家)× 齋藤徹(コントラバス)
日時| 1 月8日[金] 19:00- 料金:3,500 円(要事前予約・定員有)
アーティスト・トーク| 佐藤万絵子によるアーティスト・トークを開催いたします。これまでの活動を振り返りながら、本展について語ります。
日時|1月24日[日]15:45 開場/16:00 開演(18:00 終了予定)
料金|無料
*当日先着順・定員30名(予定)
*要展覧会パスポートチケット
*パスポートチケットをお持ちでない方にはトーク会場にてチケットを販売いたします。
会場|アサヒグループ本社ビル 3階第7会議室(アサヒ・アートスクエアの隣のビルです。)
登壇|佐藤万絵子(美術家)
聞き手|島貫泰介(美術ライター/編集者/アサヒ・アートスクエア運営委員)
島貫 泰介(しまぬき たいすけ)
1980年東京生まれ。『美術手帖』『CINRA.net』などで執筆・編集を多数手がける。
ギャラリー・ツアー|佐藤万絵子と本展の制作に関わったアサヒ・アートスクエア運営委員とともに鑑賞するツアーです。展覧会をより楽しみたい、もっと知りたい方、ぜひ、ご参加ください。
日時|1月29日[金]19:00-
1月30日[土]11:30- *各回30〜40分を予定
料金|無料
*当日先着順・定員10名(予定)
*要展覧会パスポートチケット
案内|佐藤万絵子(美術家)
アサヒ・アートスクエア運営委員
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主催 |アサヒ・アートスクエア
協賛 |アサヒビール株式会社、ユポ・コーポレーション
協力 |紙工房 堂地堂
特別協力 |株式会社 東京スタデオ CAS
問合せ |アサヒ・アートスクエア aas@arts-npo.org /Tel. 090-9118-5171
*詳細は佐藤万絵子webサイト http://maekosato.com/ をご覧下さい。
ドローイング:「机の下から吹き出したツル性植物について」ことばの設計図1
制作年:2013年